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2022.8.18

高齢者の家はゴミ屋敷化しやすい?原因や予防策、周りができる支援を紹介

近所に住む高齢者の家がゴミ屋敷になっていた」「親が高齢になってから、家が散らかるようになった」と悩んでいませんか?

 

実は高齢になると、住まいがゴミ屋敷化してしまったという事例は多いです。

 

実際に2013年に行われた大阪市の調査によると、ゴミ屋敷の原因者の60%以上が60歳以上だったと報告されています。

 

高齢化が進む日本では、ゴミ屋敷化問題はもはや身近な問題となってきています。

 

「散らかってきたな」という段階で手を打たないと、ゴミ屋敷化してしまうリスクは高いと言えるのです。

 

そこでこの記事では、まず「なぜ高齢者の家はゴミ屋敷化しやすいのか」原因を紹介。

 

さらに、ゴミ屋敷を防ぐための対策やゴミ屋敷になってしまった後の対応策についても紹介します。

 

目次

高齢者の家がゴミ屋敷になりやすい6つの原因

 

高齢者の住まいがゴミ屋敷になりやすい原因には、次のようなものがあります。

 

・1.体力や身体機能の低下

・2.認知機能の低下(判断力が落ちる)|認知症

・3.精神疾患

・4.「もったいない」と思う価値観

・5.「他人に迷惑をかけたくない」という心理

・6.他人との関係性の希薄化

 

一つずつ順番に見ていきましょう。

 

1.体力や身体機能の低下

 

1つ目は、体力や身体機能の低下によるものです。

 

歳を重ねると筋力が落ち、昔のように体を動かせなくなったり、すぐに疲れてしまうことが増えます。

 

体が動かしにくくなることで、家中のゴミをまとめて外に出すという行動も億劫になってしまうのです。

 

セルフネグレクト

 

また、「若い頃は当たり前にできていた片付けができなくなった」という事実に、ストレスを感じる高齢者は多いです。

 

このように体を思ったように動かせないストレスや、精神的なストレスが続くと、セルフネグレクトという状態にもなりやすくなります。

 

セルフネグレクトとは、「自己放任」と呼ばれる精神状態のこと。

 

部屋を綺麗にしたり、お風呂に入ったりなど自分に対する「お世話」を放棄してしまいます

 

セルフネグレクトは、この後で説明する認知症や精神疾患が原因でも発症しやすくなると言われています。

 

高齢者はセルフネグレクトになりやすい原因が多いため、住まいのゴミ屋敷化も進みやすいのです。

 

2.認知機能の低下(判断力が落ちる)|認知症

 

2つ目は、認知機能の低下や認知症により、判断力が落ちることによるもの。

 

認知機能が低下してしまうと「これはゴミなのかどうか」「ゴミの分別」の判断がしにくくなります。

 

ゴミと判断できない=捨てられない」ため、家にゴミがたまっていき、ゴミ屋敷化してしまうのです。

 

認知症を発症しなくても、加齢によって認知機能は少しずつ低下していくので注意しましょう。

 

認知症とゴミ屋敷の関係性をより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考になさってください。

 

認知症とゴミ屋敷の関係は?掃除ができなくなる高齢者の精神疾患など解説

高齢者の様子を表した人形

 

3.精神疾患

 

高齢者に限りませんが、精神疾患によって家がゴミ屋敷化するケースがあります。

 

単に精神疾患と言っても、ゴミ屋敷の原因となりうる精神疾患には、次のようにいくつか考えられます。

 

・うつ病

・強迫性障害

・ためこみ症

・統合失調症

・買い物依存症

 

それぞれ症状が違うため、具体的に知りたい方はこちらの記事をご確認ください。

 

ゴミ屋敷の原因になりうる病気について詳しく解説しています。

 

ゴミ屋敷の原因になりうる病気とは?治療法やゴミ屋敷から脱却する方法をご紹介

 

4.「もったいない」と思う価値観

 

4つ目は、「もったいない」と思う価値観によるものです。

 

高齢者の中には、ものが手に入りにくかった戦時中や戦後の時代を経験している方もたくさんいらっしゃいます。

 

そのため、いらないものや壊れているものでも「いつか使うかもしれない」「直せば使える」と「もったいない」と思う気持ちがとても強いのです。

 

この価値観により、ものを捨てられなくなることで住まいのゴミ屋敷化を加速させてしまいます。

 

5.「他人に迷惑をかけたくない」という心理

 

5つ目は、「他人に迷惑をかけたくない」という心理が働くことによるもの。

 

歳を重ねると、自力でできなくなることが増えてきます。

 

しかし、若い頃当たり前にできていたことや、家事のように面倒なことを「手伝ってほしい」とお願いするのは心苦しいと感じる高齢者はたくさんいらっしゃるもの

 

子どもや親しい人など、周囲の人に助けを求められないことでゴミ屋敷化が進んでしまいます。

 

6.他人との関係性の希薄化

 

最後は、他人との関係性が希薄になっていることによるものです。

 

他の人との交流が途絶えると、ゴミ捨ての手助けが必要でも助けを呼ぶことができません。

 

また、「人が来るから部屋を綺麗にしておこう」という考えもなくなるため、ゴミ屋敷化が進んでしまいます。

 

実際、2013年の大阪市の調査では、ゴミ屋敷の住人のうち36%は近隣の人のとの関わりが全くないと報告されました。

 

さらに、他人との交流が希薄になると、認知症や認知機能の低下を進める原因にもなります。

 

とくに一人暮らしをしている高齢者は、住まいがゴミ屋敷化しやすいリスクを持っているため、注意しておきましょう。

 

高齢者の住まいのゴミ屋敷化を防ぐ2つの方法

 

ここまで、高齢者の家がゴミ屋敷化しやすい原因について紹介してきました。

 

もしかしたら「これ、当てはまるな」と思ったものがあるかもしれませんね。

 

「まだ現状、ゴミ屋敷とは言い切れない」という人の場合、現状の悪化を防げる可能性もあります。

 

ここからは、高齢者のゴミ屋敷化を防ぐための予防策について紹介していきます。

 

・本人にゴミ屋敷の危険性を理解してもらう

・こまめに連絡し、帰省や訪問で孤独感を和らげる

 

順番に見ていきましょう。

 

1.本人にゴミ屋敷の危険性を理解してもらう

 

1つ目が、本人にゴミ屋敷の危険性を理解してもらうこと。

 

「周りの人だけじゃなく、あなた自身にもデメリットが大きいんだよ」と説明することで、本人の気持ちが「このままではいけない。片付けよう」という方向に向きやすいからです。

 

例えば、次のようなことを伝えると良いでしょう。

 

・ものがたくさんあると、転んだり、地震でものが落ちてきたときに怪我しないか心配だよ。

・ゴキブリとかネズミは怖い病気を運ぶから、心配だよ。

 

もし、分かりやすく説明しても「どうでもいい」と投げやりな様子が見られたら、心の病気の可能性もありますので、病院の受診を視野に入れましょう。

 

2.こまめに連絡し、帰省や訪問で孤独感を和らげる

 

2つ目は、こまめに連絡して、帰省や訪問で高齢者の孤独感を和らげることです。

 

先ほど紹介したように、他の人と過ごす機会が少ないと「ゴミ屋敷でも困るのは自分だけだから」と思ってしまいがち。

 

そこで、こまめに訪問すると「他人の目」を意識するようになります。

 

本人が今のゴミ屋敷の状態を客観的に見直すきっかけにもなるはずです。

 

高齢者の家がゴミ屋敷になってしまったら?家族や周りの人ができる支援

 

もしかしたら、「もうゴミ屋敷になっちゃったんだけど」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

ゴミ屋敷になってしまったとしても、元通りにする方法はあります。

 

ここでは、ゴミ屋敷になってしまった後で、ご家族の方や周りの方ができる対策や支援について紹介します。

 

・家族の場合|協力して家を片付ける

・家族以外の場合|自治体に相談する

・民間の清掃会社に片付けを依頼する

 

順番に見ていきましょう。

 

家族の場合|協力して家を片付ける

 

ゴミ屋敷に住んでいるのが高齢者の場合、ご自身だけで片付けるのは難しいケースも少なくありません。

 

もしご家族や親族など、協力してくれそうな身内の方たちがいるのなら、皆さまで力を合わせてゴミ屋敷を片付けるという方法が有効です。

 

信頼できる人たちで片付けを行うので、高齢者の方も安心できます。

 

片付けをする際は、ものを勝手に捨てないように気をつけましょう。

 

こちらの記事では、断捨離のコツを紹介しています。

 

ぜひ、掃除の参考になさってください。

 

【掃除のプロ直伝】片付けたいのに捨てられない人が断捨離を完了する方法

 

自治体に相談する

 

2つ目の方法は、自治体に相談すること。

 

ゴミ屋敷対策の制度や条例がある自治体の場合、片付けのアドバイスをもらえたり、利用可能なサービスを教えてもらえます。

 

中には、家のゴミ出しを支援してくれる制度を設置しているところも。

 

ただし、条例の内容は自治体によってさまざまで、条例がない自治体もあります。

 

制度を利用しても、片付け自体は自分たちでしなければいけないケースも多いです。

 

根本的解決にはつながらないことがあると理解しておきましょう。

 

民間の清掃会社に片付けを依頼する

 

最後は、民間の清掃会社に片付けを依頼すること。

 

ゴミ屋敷状態の家を、清掃のプロ以外の人だけで綺麗な状態にするのは、難しいケースも多いのが実情です。

 

クリーンケアでも「もう自分たちではどうしようもなかった」というお客さまもたくさんいらっしゃいました。

 

依頼の料金はかかってしまいますが、片付けから部屋の清掃、ゴミの処分まで丸ごとお願いできるので、1番ストレスがかかりません。

 

関西でお探しの方は、ぜひ私たちクリーンケアに一度ご相談ください。

 

【まとめ】高齢者の家のゴミ屋敷化は1人で抱え込まず、早めに相談を

 

高齢者の家はどうしてゴミ屋敷化しやすいのか、理由と予防策、そして解決策を紹介してきました。

 

ゴミ屋敷問題は単純なものではなく、本人だけ、家族だけで解決することは簡単ではありません。

 

単に片付けるというだけでなく、ゴミ屋敷になった原因を踏まえた対策やフォローを行うのが大切です。

 

自分たちだけでは難しいという場合、行政や掃除の業者に相談してみることで早期解決につながることもあります。

 

もしゴミ屋敷のお片付けでお悩みのことがございましたら、ぜひ私たちクリーンケアにご相談ください。

 

クリーンケアでは、年中無休で無料相談を行っております。

 

どんな事情でも親身になって、ご対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。

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