COLUMN
ゴミ屋敷にお住まいの方を見て「明らかに暮らしにくいだろうなのに、どうしてやめないんだろう?」と、ゴミ屋敷に住んでいる方の心理を知りたいと思っていませんか?
中には近所の方やご家族、ご友人の家がゴミ屋敷になってしまって、何とか解決したいと思われている人もいらっしゃるかもしれません。
ゴミ屋敷は、単にお部屋を綺麗にするだけではくり返してしまう可能性もあります。
実際、私たちクリーンケアでお掃除のお手伝いをさせていただいた方の中には、「何度もくり返してしまう」というお客さまもいらっしゃいました。
根本から解決するには、「住まいをゴミ屋敷にしてしまった心理状態」について本人や周りの人が理解を深め、その人に合った対策を考えていくことが大切です。
こちらの記事では、日頃からお掃除のプロとして従事する私が「住まいをゴミ屋敷にしてしまう人の心理状態」についてご紹介。
合わせて、ゴミ屋敷から抜け出すために「心理状態を変えていく」方法もご紹介します。
目次
住まいをゴミ屋敷にしてしまう人の心理状態は、大きく分けると次の8つになります。
・1.孤独感や疎外感、さみしさを感じている
・2.無力感やあきらめ、むなしさを感じている
・3.汚いものに触れるのが嫌
・4.人の助けを借りるのが申し訳ない、情けないと思う
・5.ものを集めたり、買い物することに喜びを感じる
・6.予備がないと不安
・7.ものを捨てるのは「かわいそう・もったいない」と思う
・8.ゴミかどうか、汚れているのか判断できない
順番に見ていきましょう。
ゴミ屋敷に住んでいる方は、孤独感や疎外感を感じている方が多いようです。
これは、ゴミやものに囲まれることで、さみしさが薄れるからと言われています。
ご家族や配偶者の方が亡くなった後、一人で暮らしていると家が広く感じてしまうもの。
寂しさを解消するために、空いている部屋やスペースにものを置くことで、住まいがゴミ屋敷になってしまうのです。
ゴミ屋敷に住んでいる方の中には、無力感やあきらめ、むなしさを感じながら生活している方もいらっしゃいます。
ご家族や配偶者の方との死別や長年勤めたお仕事からの退職、または老化によって体が思うように動かなくなったことなどが理由と言われています。
「何をしても意味がない」と思ってしまうことで、ゴミがそのまま部屋に放置されていても片付ける気力がなくなり、結果、住まいがゴミ屋敷になってしまいます。
信じにくいかもしれませんが、ゴミ屋敷に住んでいる人の中には「汚いものに触りたくない」という方もいらっしゃいます。
いわゆる潔癖症と言われる方で、このような方はゴミを触れないため、ゴミがどんどんたまっていってしまうのだそうです。
中には、家のトイレも汚く感じてしまい、使わないで生活しているケースもあります。
「人の助けを借りるのが申し訳ない、情けない」というタイプの人も、住まいをゴミ屋敷にしてしまうことがあります。
真面目な方や責任感の強い方、完璧主義な方が多いです。
このような方の中にも、ものを運ぶのも億劫になってしまったご高齢の方や、お仕事が忙しい方など、「全て自分でやる」ことが難しい方もいらっしゃいます。
周りの人に助けを求めないことで、ゴミを家にためてしまい、住まいがゴミ屋敷化してしまうようです。
ものを集めたり、買い物をすることが好きという方も、住まいがゴミ屋敷化しやすい傾向があります。
「ものが増える」ということに喜びを感じるので、不要なものであっても捨てられません。
結果として、家がものであふれてしまうようです。
中には、「買い物をしていないと落ち着かない」という買い物依存症だったという方もいらっしゃいました。
私の経験上、この心理状態は若い女性に多いように感じます。
ゴミ屋敷に住んでいる人の中には、「予備がないと不安(ものを保管することで安心する)」と感じている方もいらっしゃいます。
もちろん、災害に備えてものをストックしておくことは大切なことです。
しかし、買い物のたびに「なくなったとき、壊れたときを考えて予備を買っておこう」と考えて買ってしまうと、次第に家の収納のキャパシティを超えてしまいます。
ゴミ屋敷に住んでいる人の中には、「ものを捨てることはかわいそう」「もったいない」と思っている方もとても多いようです。
例えば、幼いころ貧しい暮らしをしていた方や、戦争を経験された高齢の方に多いように感じます。
中には、集めてきたものに強い思い入れを持つことで、手放すことが苦痛に感じる「ためこみ症」という病気の方もいらっしゃいます。
暮らしていくのに十分なものがあるのに、不要なものを手放すことができず、ゴミ屋敷になってしまうのです。
ゴミ屋敷に住んでいる方の中には、「目の前にあるものがゴミかどうか、部屋が汚れているのかどうか分からない」という心理状態の方もいらっしゃいます。
もちろん、人によって「汚れている」と評価する基準は違うものです。
しかし、老化や認知症によって判断力が衰えると、そもそも目の前のものがゴミなのかどうか判断できなくなってしまうことも。
散らかっている状態とも認識できなくなるため、ゴミ屋敷化が進んでしまいます。
ここまで、住まいをゴミ屋敷にしてしまう心理状態について紹介してきました。
このような心理状態を変えていかないと、せっかく片付けてもまたゴミ屋敷になってしまう可能性もあります。
そこで最後に、ゴミ屋敷化につながる心理を変えていくための方法について紹介します。
まずは、本人の心理状態を知るために、本人の話を聞きましょう。
いきなり「どうしてこうなったのか説明して」と詰めるのではなく、「最近何かあった?」「何か困ってることはない?」と「あなたを助けたい」という気持ちを伝えます。
もし、ゴミ屋敷の住人と面識がなく、相手も冷静に話し合いに応じてくれないという場合は、お住まいの自治体に相談してみましょう。
ゴミ屋敷条例が制定されている自治体なら、ゴミ屋敷の住人のサポートもしてくれますし、話を聞きにいってくれたり、話し合いの場を設けてくれる可能性もあります。
住まいをゴミ屋敷にしてしまう人の中には、精神疾患を抱えている可能性もあります。
例えば、うつ病や認知症、強迫性障害の方の中にはゴミを捨てられず、ゴミ屋敷にしてしまうというケースも。
治療しないままだと、症状が悪化する可能性もあります。
精神疾患の場合、心療内科や精神科を受診して、治療することで症状を少しずつ和らげていくことができると言われています。
また、病気と診断されなくても、カウンセリングを受けることで、先ほど紹介した心理を変えていくことも可能だとも言われています。
根本的な解決を目指すためにも、病気かもしれないと感じたら、病院の受診を考えましょう。
ゴミ屋敷の原因になりうる病気については、こちらの記事を参考になさってください。
ゴミ屋敷の原因になりうる病気とは?治療法やゴミ屋敷から脱却する方法をご紹介
住人本人の話を聞いたり、病院の受診をする他にも、定期的に家を訪問することも大切なポイント。
というのも、住まいをゴミ屋敷にしてしまう方は、話し相手や相談相手のいない一人暮らしの方がとても多いからです。
孤独感を抱いていると、生活することの楽しさも感じにくく、「がんばって変わるぞ」とも思いにくいもの。
定期的な訪問によって安心感を覚えることで、「自分は一人じゃない」「頼れる人がいる」と住人本人がゴミ屋敷脱却にも前向きに取り組めるはずです。
訪問していく中で、本人が「片付けたい」と思えるようになったら、一緒に片付けをするのも良いでしょう。
こちらの記事では、効率的に部屋を片付けるコツも紹介しています。
ぜひ参考になさってください。
【掃除のプロ直伝】片付けたいのに捨てられない人が断捨離を完了する方法
ものが多い空間は、脳へのストレスや影響も大きくなります。
精神的にも健康的な生活を送るためには、お掃除は必須です。
しかし、家の状態によっては片付けの途中で気力がなくなってしまったり、どこから手をつけて良いか分からず、途方にくれてしまうケースもあります。
そんなときは、お掃除のプロである清掃業者に依頼するのも一つの手です。
不用品の仕分けから、ゴミの処分、お部屋の清掃まで全てお任せできます。
片付けにかかる時間も短くてすむため、体力的にも精神的にもストレスも軽減できます。
関西エリアでお探しの方は、ぜひ私たちクリーンケアにご相談ください。
ゴミ屋敷を作り出す心理や、心理状態を変えるための方法について紹介してきました。
ゴミ屋敷問題は、お部屋を綺麗にすれば解決するというわけではありません。
「部屋をゴミ屋敷にしてしまった心理状態」について理解を深め、本人の気持ちや心理状態に合わせた対策や治療を考えていくことが大切です。
もし、ご自身だけで解決が難しい場合は、医師やカウンセラー、そして私たちのようなお掃除のプロにご相談ください。
私たちクリーンケアは、年中無休で相談を受け付けています。
どんな事情でも親身になって対応いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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